脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)のリハビリ〜自主トレ〜
脳卒中は脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の中の血管が破れて血が出る脳出血、頭蓋骨とくも膜の間の血管が破れるくも膜下出血があります。

大阪にある脳卒中専門リハビリステーションでは、そのような脳のリハビリに必要な考え方やトレーニングのコツについてブログを通してお伝えしています。
今回はその中でも脳卒中になられた皆様が日々実践されている自主トレについて考えていきたいと思います。
この記事のポイント
- なぜ脳卒中になると自主トレが難しくなるのかを理解できる
- 脳卒中による自主トレの効果をあげるために大事なこと
- 自主トレに必要な3大要素が理解できる
なぜ脳卒中になると自主トレがうまくいかないのか?
入院生活や訪問リハビリ、デイケアなどのセラピスト(リハビリをする人)から「自主トレ」、「自主練習」を伝えられることはありませんか。
その際に伝えられた自主練習を、実際にできていますでしょうか。
実際に自主練習をやってみるけど、”麻痺があるから”なかなかうまくいかない、頑張ってやっているけど”へんに力がはいって”本当にあっているかどうかも少し不安などなど、その悩みは様々ではないでしょうか?
以前のブログで、「ヒップアップ(お尻上げの方法)」や「手が伸ばせない」といった方への自主練習をお伝えさせていただきましたが、読んでいただけましたでしょうか。
読まれていない方は、読んでいただけたら、自主練習の参考になるかと思いますので是非一読ください!
脳卒中後のヒップアップに対する自主練習ブログはこちら 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)のリハビリ 〜「ヒップアップ(お尻あげ)」のチェック編〜 脳卒中は脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の中の血管が破れて血が出る脳出血、頭蓋骨とくも膜の間の血管が破れるくも ... 続きを見る
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)のリハビリ〜「ヒップアップ(お尻あげ)」のチェック編〜
脳卒中後の「手が伸ばせない」に対する自主練習ブログはこちら 脳梗塞・脳出血による後遺症とは? 脳梗塞・脳出血による脳卒中後遺症の中でも手が動かない(伸びない)といったことは生活場面でもかなり不便さを感じることかと思います。 例えば、 目の前のものを手(肘)を伸 ... 続きを見る
脳梗塞・脳出血による「手が伸ばせない」といった症状!そのためにすべきこととは?
脳卒中専門リハビリステーションを利用されている方でも、実は自主練習の上達スピードが全然違う方がおられます。
それはなぜ起こるのでしょうか?なぜあの人は体がよくなっていくのに、自分は...と思うことはないでしょうか?
もちろん回復のスピードには脳の障害部位や程度などの色々な要因がありますが、
1つだけ言えるのは、
「あなたのせいではない」ということです。
スポーツや芸術においても、コーチや先生・師匠が「こうやったら上手になるよ」といわれても、上達の仕方に差がありますよね。
脳卒中においては、この差が生まれやすい状況になることが多いです。
自主練習上達スピードを変える後遺症
- 自分自身の手・足の認識の有無
- 自分自身の手・足の感覚の有無
- 半側空間無視が有無
- 失語症の有無
- 失認の有無
- 毎日の自主練習時間の有無
- 注意障害の有無
- 記憶障害の有無
- 目標共有の有無
などなど
こう言った様々な要因が複雑に絡み合っているため、
自主練習を伝えてもらったとしても、1人または、ご家族様と一緒にやっていても、練習の本質から違った練習になっていることがあります。
じゃあ、その違った練習に対してどうすればうまくいくのか?というと、実はそれを、解決する方法があるんです。
脳卒中後遺症に対する自主トレで大事なこと
それは、

聞いたこと、伝えてもらったことが、
自分自身で、ちゃんとできるのか、担当のリハビリセラピストに診てもらう。
ご家族様と一緒に自主練習をされる場合は、ご家族様と一緒に診ててもらう。
(*チェック・評価という意味で、あえて「診て」という漢字を使っています。)
「なんだ、そんなの当たり前」と思っているかたは、自主練習上達スピードが速い方かもしれません。
しかし、結構な方が実際にやってみると、注意点や手順が違っている方がいます。
また、「10回しましょう」となっていても、運動をやっていくうちに、5回目くらいから違う練習(間違ったやり方)になっていたりする方がおられます。
そうするとせっかく自主的にやっている練習があまり効果に繋がらない、なんてことにもなりかねます!
せっかく運動するならより効率的にやった方が良いに決まっています!
実はその時に覚えておいて欲しいのが、自主トレでの大切な3つの要素になります。
脳卒中後の自主トレ効果をあげる3大要素とは?
自主練習上達のポイント
- 質
- 回数・量
- 負荷
この3つの要素が掛け算で成り立っていると考えています。
いくら回数を増やしても、質が低ければ、何回やってもちょっとのレベルアップになってしまいます。
かといって、すごく質の高い練習をしても、回数が少ないとちょっとのレベルアップです。
そして、負荷というのは、脳卒中後遺症にとってとても大切な要素だと考えています。
筋トレでいう、「負荷」は重さ(kg)だったり、一回にかける時間だったりとイメージしやすいかと思いますが、脳卒中の場合、様々な後遺症があるので、「環境」という要素が大きく影響します。
よくいう、「セラピストの前ではできるけど、家に帰るとできない」というのは、
- 「セラピストが見ている」
- 「自主練習を共有した直後」
- 「座っている椅子の高さ」
- 「使っているテーブルの高さ」
- 「無音の環境」
- 「リハビリをしに行っているという心構え」
などなどの様々な『環境』の要素があります。
ですので「環境」の変化も負荷になるわけです。
脳卒中専門リハビリステーションでは、家の自主トレと同等の環境を再現して自主練習を行いますが、1回で自主トレ指導が終わるわけではなく、次回の来店時に、以下のような点を必ず確認します。
- やってみてどう感じた。
- ちゃんとできているのかの動作確認。
- 自主練習の要点確認。
などなどです。
「むずかしかったです」と、言われる方でも、実際の動作は「完璧」という方もおられます。
「できました」と、言われる方でも、実際の動作が「あれっ!?」という方もおられます。
この両方のアウットプットは、「どちらも正解」で、このアウトプットを元に次の自主トレの課題を変えてお伝えし、「自主トレの質」を高めていきます。
自主トレに必要な3つの要素を考える!
では、この「質」、「量」、「負荷」を考えて、何回すればよくなるのかというと運動学習的な観点で言えば、同じ運動が10,000回できたら、定着すると言われています(正確には、練習内容や難易度によって変わってきます)。
1日10回すれば1,000日で達成しますし、1日100回すれば100日で達成となるわけです。
ですので、「自主練習をしていてもよくならない」、と言われる方の大半がこの継続をできずにおられます。
その際に大事なことは、

ということです。
さらに言うと、正しい動き・同じ動きを10,000回ということです。
とりあえず、”10,000回やった” では定着しないわけです。
そう、「質」、「量」、「負荷」が整った10,000回です。
また、間違った運動を10,000回やったら間違った運動が定着してしまうわけです。
脳卒中専門リハビリステーションを利用される方は、病院での回復期リハビリテーションを経て、当店を利用したり、退院後は訪問リハビリやデイケアでのリハビリを経て、動きにくくなったから当店を利用する、といった方がほとんどです。
リハビリテーション病院などの回復期では、「退院後の生活」を見越して、綺麗な歩き方を求めて歩けない。よりも、ぶん回しと言われるような歩き方でも、家の中や屋外を歩くことが第一優先になることがあります。
ですので、入院中の目標と脳卒中専門リハビリステーションを利用した際の目標が大きく変わってきます。
では、綺麗な歩き方。楽な歩き方。楽な手の動かし方。といった新しい目標を達成するために何が必要かと言うと、
質を高めていく!!
といったことが必要になるわけです。
脳卒中後遺症に対する自主トレに関するまとめ
このような目標を達成するにあたり、今まで脳が覚えている身体の動かし方(プログラム・パターン)を変えていくことを行います。
簡単に言うと、「歩く」という命令を脳が出すしたといします。
今までは、「内反しているけど歩ける」、「ぶん回ししているけど歩ける」というパフォーマンスが出る。
これを「歩く」という命令が出たときに、「足が軽く前にでる」、「身体が強ばらずに歩ける」といった形に変えていくわけです。
そして、このプログラム・パターンを変えていくために、各関節の運動練習や身体全体の練習を行っていくわけです。
ですが、退院すると病院でのリハビリのように毎日3時間近くのリハビリが受けられるわけではありません。
ですので「自主トレ」で補っていくわけです。
その自主トレ効果を高めるために、
- 自主トレの動画撮影や紙面(写真や注意事項込み)
- 自主トレの手順の記載
- ご家族様への指導
など皆様の脳卒中後遺症にあった形での自主トレ指導を行っています。
脳卒中専門リハビリステーションでは期間限定で退院後の施設選びや後遺症についての無料相談、無料体験を行っておりますので、是非気軽にお問合せください。

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