心原性脳梗塞とは
臨床病型による脳梗塞の分類では「アテローム血栓性脳梗塞」、「心原性脳梗塞」、「ラクナ梗塞」、「その他」の大きく4つの分類分けられます。
その中でも「心原性脳梗塞」は、心疾患により心臓内形成された血栓が脳動脈に運ばれ、血管を閉塞させることによって起こる脳梗塞のことを言います。心房細動(脈拍が不規則に乱れる不整脈)などの心疾患により不整脈が起こることで、心臓の働きが悪くなり、血流が滞ることで心臓内の血液が固まってしまうため、それにより血栓が生成されやすくなります。
特徴は、アテローム血栓性脳梗塞は徐々にですが、心原性脳梗塞は急激に発症します。また、「アテローム血栓性脳梗塞」、「心原性脳梗塞」、「ラクナ梗塞」の中でこの心原性脳梗塞は最も重症になるケースが多い脳梗塞です。(詰まる血管によっても症状は異なります。)
不整脈や心筋梗塞、弁疾患、感染性心内膜炎などの心疾患を既往歴に持たれている方が発症される割合が高くなっています。そのうち最も高頻度なのは非弁膜症性心房細動で、約4~5割を占め加齢とともに有する頻度が増加します。主に日中の活動時に、突然発症し、突然の片麻痺や構音障害、失語、意識障害、感覚障害、頭痛や失禁などが急激に起こります。
定期的な人間ドックのオプションで心エコーなどを受けていると、
心臓内の血栓や疣腫(感染性心内膜炎で弁や心内膜に形成される塊)が発見され、未然に対応することができます。
心原性脳梗塞になると、側副血行路ができておらず、比較的大きい梗塞や多発的に起こることもあります。また、出血性梗塞と言って詰まった血管に血流が再開することによって起こる出血が起こってしまうと大変危険な状態となってしまいます。そのため、急性期でのリスク管理は大事になります。
心原性脳梗塞の治療方法とは
梗塞巣があまり広範囲でなければ、急性期の再発予防のため抗凝固療法を開始します。発症からの経過時間によ
梗塞巣が大きい場合は、脳の浮腫が高度に生じるため、早い時期から抗脳浮腫薬(グリセオールやマンニトールなど)が用いられます。
ってはt‐PA(血栓溶解療法)が試みられることもあります。