リハビリ目標
杖なしで歩けるようになりたい
基本情報
主症状 | 運動麻痺、筋緊張 |
疾患名 | 脳出血 |
発症からの期間 | 2年 |
リハビリ目標 | 杖・装具なしで歩けるようになりたい |
利用コース | スタンダードコース |
回数 | 3クール |
改善内容
- 足首が動かせるようになった
- 麻痺側に体重がかけやすくなった
- 杖・装具なしで歩けるようになった
リハビリ介入前の状態
脳卒中(脳出血)を発症されてから約2年ほど経過され、再生医療も行われていた方です。体験当時は杖と装具を用いた歩行にて屋内・外歩行は自立されていました。手足はともに運動麻痺の程度は強く、また筋緊張が高い(意識していないのに筋肉が勝手に硬くなる状態)ため、動作時に手が勝手に曲がってきたり、力が入ると足も曲がりやすく、歩いているときは常に膝や股関節が曲がり、重心が下がった非効率な歩容を呈されていました。
そのため、長時間の屋外歩行後は足の疲労感も強く、常時足の重だるさを訴えられていました。手足の運動麻痺に関しても、特に指などの末梢部分の反応性は乏しく、全体的に力をいれる連合反応(どこかに力が入ると、勝手に連動して手足の筋肉が反応する状態)を使って、自分で手足を動かそうとされる運動のやり方を行っており、歩行が全体的に非効率となっていました。
リハビリの内容
ご本人様の希望でもありました、杖や装具を外して歩けるようになりたいという部分に関して目標設定を行い、現状どういった身体機能が足りてないのか、どういった段階を踏んで歩行機能を獲得していくかをリハビリ開始と同時に話し合い決定しました。その中でも、まずは足首の可動域(関節が動く角度の範囲)制限に対して着目しました。装具を常につけておられ、歩行中も装具に寄りかかることも多いため、常に足もつま先部分に力が入り押し付けているような形での立ち方や歩行をされていました。
なので、まずは自宅でも積極的に行えるような簡単な自主トレから、徐々に難易度を上げて達成可能な自主トレに変更していきました。その中で可動域の改善に伴い徐々ににに関してですが、体験時に下肢の骨折のことも含め、理学療法士の和中先生にリハビリ介入を依頼しました。
(本来脳卒中専門リハビリステーションでは、理学療法士・作業療法士の分野を分けることなく担当しますが、骨折の影響等考えた結果、矢野様には歩行練習を実施する必要性もあったため理学療法士・作業療法士のどちらもがリハビリ介入することにいたしました。)
足へのリハビリとしてインソールの作成と週に1回の歩行練習を主としたリハビリを実施しております。
リハビリや自主トレ指導として
- 下肢筋力の低下に対するリハビリと自主トレーニング
- 体幹機能(筋力・筋緊張)に対するリハビリと自主トレーニング
- 歩容の修正と、歩く量の調整・指導(骨折部の熱感に応じたトレーニング)
をメインに行ってもらった結果、下肢筋力も大幅に増大し歩容の改善・歩行スピードの改善を認める結果になりました。
今後の目標
日常生活の中での積極的な手の使用と実用性の獲得に向けて、引き続き肩の痛みも合わせて緩和させつつ、使用頻度の拡大を図っていきます。
移動面に関しては、歩行の安定化に伴い外出頻度も増大してきているため、今後はさらなる長距離歩行や会社までの移動を考えた復職を目指し、さらなるリハビリ介入を行わせて頂く予定です。
※リハビリによる変化は個人差があります。