脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の装具作成の流れ③〜装具作成編〜
脳卒中は脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の中の血管が破れて血が出る脳出血、頭蓋骨とくも膜の間の血管が破れるくも膜下出血があります。
今回は、装具作成の流れ①、②に引き続き、当店をご利用されている方が作成した装具が完成するまでの流れについてお伝えさせていただきます。
今回のブログの中に使用する写真は、お客様・義肢装具士様のご好意により掲載の許可頂いております。また、本ブログを公開前に読んでいただきブログの内容内に含まれている個人情報についての許可を頂いて、掲載させていただいております。
本当に感謝しております。ありがとうございます。
装具作成の流れのブログはこの五本立てとなっております。
step
1作成・修正
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2目標達成に向けて装具が必要かどうなのか(本人とセラピストの共有)
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3装具作成の流れ(医療保険)
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4仮合わせでチェックするポイント
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5完成後に気をつけるべきこと
今回はstep3の「装具作成の流れ(医療保険)」についてです。
装具作成の流れ(医療保険)
今回は、「装具を作る」ことが決まってからの流れをお伝えしていきます。
今回は、医療保険を使って装具を初めて作成する方の流れになりますので、今まで装具を作ったことがある方のながれとは異なってきます。ご注意ください。
装具を作成することが、ご本人様・key parson様、担当セラピストの中で全員一致で決定した後の流れについてですが、まず、装具を作成するにあたり必要となる人が5名います。
装具を作成するにあたり、必要な人
- ご本人様
- 医者
- 義肢装具士
- 施設管理者・施設の社員
- セラピスト
この5名は絶対に必要です。
では、この5名がなぜ必要かと言いますと。
ご本人様
装具を作成するにあたり、足の型取りやデザイン(色やベルトの数など)の決定が必要になります。
医者
装具を作成するための処方・指示書を書いていただく必要があります。
このかたの場合は、サービス付き高齢者住宅(以後、サ高住)に往診にこられている先生がいますので、往診の時間に合わせて、サ高住に行き、その先生に書いていただくことは可能なのかということを確認させていただきました。入院中に担当されている脳外科・脳神経外科の先生であれば、装具の処方は慣れているので、問題はありませんが、地域に出ると、装具を処方したことがない先生もいたり、処方・指示書・意見書に関しては書き慣れていない先生もおられると義肢装具士から聞いていたこともあるため、わからない場合はどのように書けば良いのかをお伝えすることもあります。(書き方の説明も、担当セラピストが行いました。)
義肢装具士
装具を作成してくださるので、絶対に必要です。
今回の場合は、ご本人様・key parson様、担当セラピストで装具を作成するという方向が決定したタイミングより前に、サ高住で装具を作成することが決まったら、ご本人がおられる施設に来てくださることが可能なのかのアポイントメントをとらせていただきました。業者によっては担当エリア外だったりすることもあるので、無理だった場合は数社に連絡を取る必要があります。(このアポイントメント関しては担当セラピストが行います。)
施設管理者・施設の社員
これは、装具を作成するにり、サ高住に義肢装具士という外部の方が施設内に入るため、義肢装具士が施設内に入って装具を作成しても良いかという許可をいただくために必要となります。
セラピスト
本人・義肢装具士が型取りを行うにあたり、どんな装具を作成するのか。どこに注意して作成するのか。本人の体の特徴や要望をお伝えしたり、仮の装具が届いた時に本人と一緒に使用し、負担や痛み、装具に求めた機能がちゃんと発揮できるのか。などを見たりするため必要です。
今回の場合は全てのアポイントメントをとったり、本人・key parsonに装具を作成するメリットでメリット、装具を作成しないメリット・デメリットをお伝えさせていただきました。
ここまでの段取りが全てできて、装具作成が開始となります。
装具作成の流れ
装具作成の流れ
- 本人・key parson・セラピストが装具を作成するということを共有する。
- 医者に指示書・処方をいただく。
- 義肢装具士に採型をしていただく。(セラピスト立ち会い)
- セラピスト立ち会いのもと仮合わせを行う。
- 完成もしくは再修正
- (完成)
といった流れになります。
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本人・key parson・セラピストが装具を作成するということを共有する。
装具を作成するきっかけは、以前のブログにて本人の中で達成したい目標ができたこと。とお伝えしました。この段階で、セラピストとして、その目標を達成するにあたり、「装具の作成の必要性をセラピストが感じた。」たスタートです。「装具なしで目標を達成する。」ができると一番なのですが、目標達成までの期間。現状の身体機能。目標の難易度。などを考えて装具の必要性を本人・key parsonにお伝えさせていただきました。
その上で、「装具を作ってリハビリを頑張り、目標を達成しよう。」という方向にみんなで向かうことができたので、装具作成がスタートしました。この段階でセラピストとして、本人の希望をもとに、どの装具を作成するのかということを決め、お伝えしています。なぜなら、本人に必要な機能や練習にて使いたい機能が人それぞれ異なるので、本人の目標他性に向けてその部分の説明をする必要性があったからです。
またリハビリ中に使いたい機能が装具にあるといったところですが、病院や当院内でのリハビリであれば、難易度の高い練習をするときに他のスタッフに介助の協力を依頼できたり、環境を整えるための物品が使用できたりといったことが可能ですが、訪問という形で自宅や施設に行く場合は、自宅内での環境や施設内のルールといったものが存在するため、その部分を装具に助けてもらうといったことになります。
2.医者に指示書・処方・意見書をいただく。
1の段階の次は、医者に指示書をいただくといったことになります。今回の場合は往診にこられている先生が装具の処方・指示書・意見書を記載してくださることが可能でしたので、往診の時間に合わせて予定を調整し、セラピストが直接、医者に装具作成したい。といった旨をお伝えしました。
往診にこられている先生に記載が無理な場合は、かかりつけ医や入院していた病院に相談していく必要があります。
ここでの指示書・処方・意見書がなければ、装具を作成した際の費用が本人様の全額負担となってしまいますので、償還払の形を取るために必要な準備です。
3.義肢装具士に採型をしていただく。(セラピスト立ち会い)
書類の段取りができた後は、装具を作成していただく会社に連絡し、エリアの担当の義肢装具士と日程の調整に入ります。装具作成のための足形を取る(採型)の際にはセラピストが立ち会い、本人に望む機能などを直接、義肢装具士と話をして、本人にとってベストな装具を作成できるようにします。
実際の採型の様子はこんな感じです。(今回は両側金属支柱付き長下肢装具を作成)
装具の種類によって採型の仕方は違うので、あくまで1例です。
4.セラピスト立ち会いのもと仮合わせを行う。
採型ができたら、仮の装具が約1週間ぐらいでできますので、仮の装具が完成後、実際に装着して、装具との隙間や本人が感じられる接触間などに対しての修正依頼や装備品を加えたり、減らしたりなどの調整をします。また、実際に仮の装具を使用して、動作練習の際に、装具内での接触や異音、本人の皮膚の状態、全身状態などを確認します。ここで、細かいところを見逃してしまうと、次に装具に出会うのは完成時になるので、細かなチェックが必要です。細かなチェックポイントについては、次回のブログでお話しさせていただきます。
5.完成もしくは再修正
ほぼ最終段階です。完成された装具を実際に履いてみて、再度皮膚の接触や隙間などを確認します。ここで問題がなければ受け取って、支払い。という形になりますが、本人・義肢装具士・セラピストの中の1人でも違和感を感じた場合は再修正が可能です。
今回完成した装具は、
この両側金属のある長下肢装具です。
足の部分は履きやすいようにガバッと開けるようにし、外に行かれる際に爪先から靴下が見えるのを、雨の日に爪先が濡れないようにするために、爪先を覆うもの(toe cover)をつけてます。また、爪先を覆う部分が外れてどこかに行かないように、足のベルトの中にマジックテープで挟み込めるようにしています。
現在使用している装具や設定に不安がございましたら、現在は期間限定で無料体験を行なっておりますので、装具に対しての相談もご本人様の動きを見た中での相談を承っております。
調整が可能なものでしたら、調整もさせていただきますので、もし良ければ、下記問い合わせボタンより無料体験の予約をしてみてください。その際、装具の調整・相談といっていただけると大変助かります。
次回は「脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の装具作成の流れ④〜仮合わせ編〜です。
更新をお待ちください。
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