脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の装具作成の流れ〜目標達成編〜
脳卒中は脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の中の血管が破れて血が出る脳出血、頭蓋骨とくも膜の間の血管が破れるくも膜下出血があります。
今回は、前回に引き続き、当店をご利用されている方が作成した装具が完成するまでの流れについてお伝えさせていただきます。
今回のブログの中に使用する写真は、お客様・義肢装具士様のご好意により掲載の許可頂いております。また、本ブログを公開前に読んでいただきブログの内容内に含まれている個人情報についての許可を頂いて、掲載させていただいております。
本当に感謝しております。ありがとうございます。
装具作成の流れのブログはこの五本立てとなっております。
step
1作成・修正
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2目標達成に向けて装具が必要かどうなのか(本人とセラピストの共有)
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3装具作成の流れ(医療保険)
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4仮合わせでチェックするポイント
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5完成後に気をつけるべきこと
今回はstep2の「目標達成に向けて装具が必要かどうなのか(本人とセラピストの共有)」についてです。
目標達成に向けて装具が必要かどうなのか(本人とセラピストの共有)
装具自体は脳卒中発症後、身体機能に合わせて歩行機能の獲得や立位保持能力の向上のために使用されるケースが非常に多いと思います。
その際に皆様はなぜ装具が必要なのか?なんのために装具を作成したのかを説明してもらったことはありますでしょうか?
今回は、脳卒中発症後のご本人様の目標を達成するためには、【装具が必要なのか・不必要なのか】を判断するにあたって、私自身が気をつけたポイントをお伝えします。
装具作成のポイント
- 目標と現状の身体機能
- 日中の活動量
- key Parsonの想い
この3点があげられます。
では、1つずつお伝えさせていただきます。
目標と現状の身体機能
まず、装具を作成しようと思ったきっかけですが、
装具作成を考えた要素
- 現状、1人で歩けない。
- 入院中には装具を作成していなかった。
- サービス付き高齢者住宅に入所しており、本人が動こうと思わなければ食事・入浴以外の時間は1日中ベッドに寝ている。
- 本人に強い目標ができた。
- 目標と現在の身体機能では転倒のリスクが高い。
- 医療保険を使うことで、費用の○割負担で作成することができる。
- 装具を使用することで、機能改善が大きく見込まれる。
- 装具を使用することで楽に歩くことができる。
- 装具を使用することで歩く時間が増える。
- 装具を使用することで歩くときの疲労感が減る。
などがあるわけです。
そして、本人・keyparsonが装具作成に前向きになっていただけた1番のポイントは「目標が達成」できる可能性が大きく増えることでした。
この方は、サービス付き高齢者住宅におられるため、基本的にはベッドの上にずっとおられます。
サービス付き高齢者住宅のメリットは簡単にいうと自由です。ということは、自分で動かないと動く時間が確保されません。
退院する時の身体機能ではメリットにもなり、デメリットにもなるので、退院先を選ぶ時には、しっかりと病院の相談員や担当セラピストと話し合うことをお勧めします。
簡単ですが、下に退院時の方向性を決めるポイントを記載させていただきます。
退院後の方向性を決めるポイント
- 日中の活動量はどうなるのか。
- リハビリはあるのか。
- 外部からサービスは利用可能なのか。
- 家族のman power(介助量)は継続して可能なのか。
- 現状の介護度でどの程度のサービスが受けることが可能なのか。
- 胃瘻の処置はできるのか。
など、実際にはいろいろなことを考える必要があります。
これらの施設のメリット・デメリットに関してはまたブログにてお伝えさせていただきますのでお待ちください。
日中の活動量
次に、考えたことは、目標達成のために「装具を作成することで活動量が増えるかどうか。」です。
この方の場合は、「サービス付き高齢者住宅」に入所されている為、食事・入浴以外はベッド上にいることが多く、日中の活動量は、車椅子で食事の時に食堂まで移動する程度となっています(リハビリは除く)。
しかし、リハビリにて介助を行えば、少しの介助で杖歩行ができるわけです。
なので、装具を作成して、歩く難易度を下げることで歩くことが可能になれば、歩いてトイレに行ける。歩いて食堂に行ける。入浴への移動の際には歩いて浴室まで行ける。などの活動量の大きな増加が見込まれるわけです。
なので、今回の脳卒中発症後のケースの場合は「装具作成」はメリットしかないのです。
key parsonの想い
最後に、本人の思いとkey parson(キーパーソン)の想いは同じなのかということです。
キーパーソンとは
人間関係において、とくに大きな影響を全体に及ぼす、「鍵となる人物」のこと。脳卒中発症後の方の場合は、ご家族様がそれにあたるケースが多いです。
本人は目標達成したい。と思っていてもkey parsonは思っていない。または、key parsonは目標を達成してほしい。と思っていても、本人は思っていない。となると、装具を作成したいと思ってもどちらかが「いらない。」と思っていたら、作成後もリハビリ以外の時間に意欲的な歩行練習や歩行回数が増えない。ということになってしまうのです。
なので、本人とkey parsonとセラピストが同じ方向を向くことが必要になるわけです。
このように脳卒中発症後の装具作成に関してもただ身体機能を良くするためだけに作成するだけではなく、その背景にあるなぜ必要なのかを改めて考えていくことが重要になりますし、また作成に当たっては実際に当事者の方やkey Parsonと相談しながら、その必要性を考えることが重要となってきます。
今回は装具作成にあたってのstep2、「目標達成に向けて装具が必要かどうなのか(本人とセラピストの共有)」についてお伝えさせて頂きました。
その他stepの、「装具作成の流れ(医療保険)」、「仮合わせでチェックするポイント」、「完成後に気をつけるべきこと」については、継続してお話しさせていただきます。
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