脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)のリハビリ
〜「ヒップアップ(お尻あげ)」自主トレ編④〜
脳卒中は脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の中の血管が破れて血が出る脳出血、頭蓋骨とくも膜の間の血管が破れるくも膜下出血があります。
先日のブログにて、ヒップアップの自主練習において脳卒中の方ではどういった点に注意すべきか、その際にどんなチェック項目があるのかの概要をお伝えさせていだだきました。
前回のヒップアップに対するブログはこちら 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)のリハビリ 〜「ヒップアップ(お尻あげ)」のチェック編〜 脳卒中は脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の中の血管が破れて血が出る脳出血、頭蓋骨とくも膜の間の血管が破れるくも ... 続きを見る
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)のリハビリ〜「ヒップアップ(お尻あげ)」のチェック編〜
先日のブログにて、ヒップアップの自主練習でどんなチェック項目があるのかの概要をお伝えさせていだだきました。
前回の「筋緊張亢進(こわばり)」に引き続いて、今回はそのヒップアップにおけるチェック項目のなかで「筋緊張低下」がある脳卒中の方向けの内容についてお伝えしていきたいと思います。前回のブログを読んでない方は前回のブログから読むことをお勧めします。
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脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)のリハビリ〜「ヒップアップ(お尻あげ)」自主トレ編③〜
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その中で重要なことは正しい姿勢でヒップアップをしましょうといったことがメインテーマとなります。
このブログでわかること
- 筋緊張低下がある場合のヒップアップの際の注意点が理解できる
- ヒップアップにおいて重要なことは開始姿勢にある
- 開始姿勢を良くするためには股関節のコントロールが重要
それではこれらを細かくみていきましょう!
筋緊張低下がある方は何に気を付けるべきなのか?
今回はヒップアップ(お尻上げ)において筋緊張低下をもった場合に、気を付けるポイントとして開始姿勢及びお尻を持ち上げたときの停止姿勢があげられます。
その際に何に注意すべきかについて考えていきたいと思います。

まずは筋緊張低下があるとどういったことが問題になるのかというと、
チェック項目(抜粋)
①ベッドに仰向けに寝る。
・身体がねじれている。
②両足を同じだけ曲げる。
・両足を曲げた後、麻痺側と反対側の足はくっつけずに止めることができましたか?
・麻痺側の足だけ開いてませんでしたか?
この2点において該当した方は、「異常筋緊張」の要素がある可能性が考えられます。
そもそも筋緊張とは、
「筋緊張は、筋はいつも不随意に一定の緊張状態を保っている。」とされているので、それに、「異常」という言葉が加わると、「筋はいつも不随意に一定の緊張状態を保つことに異常をきたす。」となるわけです。
簡単な言葉にしてみると、「筋肉はいつも、無意識に一定の張りを保っておくことができず、張りが強すぎたり、張りを失ったりしてしまう。」となってしまう状態のことを指します。
今回は、「筋緊張低下」ですので、筋肉の張りが無意識的に失われてしまっていて、筋肉が「だらーん」としてしまって、意識をし続けていないと、筋肉の張りが保つことができないといった状態を指します。
入院中に聞く言葉でいえば肩の「亜脱臼」がわかりやすいかと思います。無意識的な状態では肩の骨と腕の骨の間に隙間があるけれども動かそうとしたときには無意識的に筋肉の張りが上がり、腕の骨が肩の骨に近づけられ、その隙間が小さくなるといったことです。
筋緊張については基礎ブログとして記載しておりますので、そちらをご覧ください。
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脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の後遺症〜筋緊張編
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イメージで考えると、輪ゴムの端を両手の指で摘んだそのままの状態が、筋緊張が正常な状態。つまんで引きなはなしている時の輪ゴムの状態が「筋緊張亢進」。つまんで近づけてたるんでいる時の輪ゴムの状態が、「筋緊張低下」ということになります。
つまり、「筋緊張亢進」は本来あるべき張り感より「ぴーん」と張っている状態です。そのため、筋肉は異常な状態ではいけないという命令を脳に届け、その張りを緩ませようとするために、縮もうとする力常に働いてしまっているといった状態になっています。また、「筋緊張低下」は、「だらーん」としてしまっている状態なので、本来の張りまで筋肉の張りが高まらないと、反対側を近づけてくるということが起こらない。といったことになります。
つまり、筋緊張低下で足が止まらないといった現象に対して、まずは意識的に筋肉の張りを高め脚を止めておくといったことが必要になります。
筋緊張低下がある際の運動時のポイントと注意点
ここで先ほどからお話ししている「筋緊張低下」ですが、これは脳卒中になったことによって
運動麻痺の症状
- 筋肉の張りが一定に保てなくなる。
- 筋肉の張りが低くなる。
といった症状もしくは現象のことをよく指す言葉として表されます。
そのため、根本的な問題として1.筋肉の張りが一定に保てなくなるので、
- 両足を曲げた後、麻痺側の足が止めておけなくなる。
- 麻痺側の足だけ開いてしまう。
といった症状がすごくでやすくなるのが特徴です。
また、筋緊張の低下の問題はそれだけじゃなく、2.筋肉の張りが低くなる。ので、
- 足を曲げようとした際に、足が重たく感じる。
- お尻を上げようとした際に、動かそうと思ってから遅れて足が動き出す。
といった症状もでてきます。
ここで忘れてはいけない目標の動きは、「無意識で足が開いていく時は意識を向けて正しい位置を保つ。」、「力を出そうと思っても関節が動くまでにはタイムラグが出てくる。」この2つの点をしっかりヒップアップで引き出すことが必要になります。
筋緊張低下がある際のヒップアップを効率的に行うための自主トレ
これらを改善していくために行っていく自主練習は立ち座りです。
では紹介します。練習方法は、
①杖や柵・テーブルを持って座ります。(しっかり座れる人は支持物なしで座ります。)
②体重を前に移動させながら、お尻を持ち上げます。(余裕がある方は支持物なしで。)
③支持物に触れながら立ち上がります。(余裕がある場合は支持物なしで。)
④ゆっくりと座る。
⑤①〜④を繰り返す。
そうです、たったこれだけです。
実は自主トレのポイントはこのしっかり立ち座りをする
チェックポイント
- 麻痺側の足が床から離れない。
- 立ち上がった時に体が捻れない。
- 麻痺側と反対側の脚で立ち上がらない。
- 立ち上がろうとする時に体を丸め込みすぎない。
- 体重を前に移動させた時に麻痺側の脚が開いてこない。
- すわるときに、「ドスン」とすわらない。
- 立った後に体をそりすぎない。
などなど、この運動をするのにもこれだけのチェックポイントがたくさんあるんです。
その中でも今回最も意識してほしいのが、体重(重心)の上げ下げです。
この自主トレのポイント
みぞおち部分がしっかりと上下に移動する。
これを意識してやることで、結果的に「筋肉の張りを高めよう」というスイッチが押され、その後実施するヒップアップに必要な開始肢位を正しい状態、正しい停止位置で実施でき、同じ自主トレをするにも、その効率性は全然違ったものに変わってきます。
もちろんこれができない方は、できるところだけでも全然問題ありません。
例えば、
- 脚を曲げた時に3秒だけは止めとける。
- 脚を曲げる時にスピードのばらつく範囲が減る。
- 寝ているときに、膝小僧・爪先が天井を向け続けられる。
- 脚を少し曲げたところでなら止めておけれる。
など、股関節の動きを伴いながらできるところにちょっとしたワンポイントをつけて練習することで変化は必ず出てきます。
その中でも気を付けておいて欲しいポイントが、ヒップアップをするための開始肢位において注意すべきは股関節の位置にあるということです。
今回の自主トレポイントはこの股関節を正しく使いましょうといったことが大事なポイントとなってくるのです!
今できているところにいつの要素を加えていくことがリハビリには必要不可欠です。個人個人付け加える要素の順番は変わってくるので誰かと比較するより昨日の自分と比較してあげてください。
今回紹介させていただいた筋緊張低下に対する立ち座りの自主練習はあくまで1例です。これができたから歩けるようになるということではありませんが、できるようになってくることでヒップアップが効率的にできるだけでなく、力が出しやすくなったり、足が「がくっ」っとならなくなったり、体重がかけやすくなり結果的に歩きやすくなるということにも繋がります。
当院のスタッフは、お客様の自主練習を確認した時に、同じ自主練習を継続するのか。難易度を下げて別の要素を加えるのか。同じ練習の難易度を少し上げるのかを判断し、効率の良い自主練習を共有させていただきます。
なぜ、そんなに自主練習の内容がコロコロ変わるのかというと、できていることを続けても、変化がないからです。
また、頑張りすぎたことによって、自主練習の趣旨が変わってきてしまったりするからです。自主練習の内容が変わらないからダメ。変わるから良い。ということではないので、一緒に自主練習を考えていきましょう。
現在は期間限定で無料体験を行なっております。
無料体験を受けていただくことでこの練習1つだけでも、どこの要素が足りてなくて、どこの要素が足りているのかをお伝えすることはできます。
そして、それをきっかけに自主練習の質を高めて行うだけで、自主練習でも、動作が大きく変えることができるようになりますので、もし良ければ、下記問い合わせボタンより無料体験の予約をしてみてください。
次回も引き続き、他のチェック項目該当する方のタイプと、自主練習をお伝えしてきたいと思いますので、更新をお待ちください。
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写真協力
当院スタッフ 理学療法士 中上博之
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